あとがき

 この書架に配備された『ジェイムズ経験論の諸問題』は1973年1月に法律文化社より出版されていたが、絶版になったのを機会に許可を得てホームページ仕様に手直しして、本サイト「八五郎屋の書庫」にUPしたものである。
 本書は一日本人によるアメリカの哲学者ウィリアム・ジェイムズの思想の解釈である。他人の思想を解釈し、それを第三者に解説するという様は、本人には心地のよいものであっても、他人からは見られたものではない。それ故おそらく無視されるであろう本書は、いわば発信者自身の自我のための番人として役だつにすぎないだろう。それでも自己弁護させて貰えるならば、発信者にも多少の問題意識があって、他人の思想を解釈しようとしたのである。発信者がウィリアム・ジェイムズの思想に手をつけたのは、今世界で注目をあびているアメリカの行動が少しも理解できないからである。発信者はウィリアム・ジェイムズの思想をみることによって、少しはアメリカ人の心の中に入りこめるのではないかと思ったのである。……

既発表論文掲載誌
はしがき─関西哲学会紀要第十一号  第一章第四節─待兼山論叢第五集
第二章第五節─倫理学研究第二集  第三章第三節・四節─修士学位論文

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